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発音が変化する仕組み

英語は母音をカウントしながら発音しますが、そのまま発音をすると非常に喋りにくいです。
ですから喋りやすくするため頻繁に発音を変化させます。(特に単語のつなぎ目で)

連結(リンキング)

例えば『Just a little』(意味:ちょっとだけね)という文では、単語『Just』の『t』とその次の単語『a』がくっついて、『Jus ta little』(ジャス  リトル)と発音します。(実際はラに近い音ですが、便宜上タで表記します)
連結の例

単語の末尾が子音で、続く単語が母音で始まる場合、その2つがくっついて1つの音になります。(子音『t』と母音『a』がくっついて『ta』と発音する)
これを連結と呼びます。(別に名称は覚えなくて大丈夫です)

『not at all』(どういたしまして)という文も、『no ta tall』と子音と母音がくっつきます。
連結の見本2

なぜくっついてしまうかについては深く考えず、『そっちの方が喋るのに楽だから』とだけ思っておいてください。
日本語だって『反応』(はんおう)という字は実際には『はんのう』と読みます。ha-n-o-uの子音『n』の後に母音『o』が続くので、自然とnとoがくっついて『の』の発音になわるわけです。

こうした事はどの言語でもよくあることです。
特に英語は子音の後に母音が続くとほぼ間違いなく連結してきますので、このルールを知っているとグッと聞き取りやすくなります。

脱落(エリジオン)

単語のつなぎ目で同じ音か似た音が連続する場合、前の音を発音しません。
これを脱落といいます。(くどいようですが名称は覚えなくていいです)

例えば『get to』という文では、同じ音『t』が連続します。(get to)
そうすると『ge to』(ゲットゥー)という感じで、前の『t』が脱け落ちて後ろの『t』しか発音しません。
脱落の例1

なぜそうなるのかはやはり、同じ音が連続すると『言いにくいから』ですね。
このルールに従って、『Good day』も発音する時は『グッデイ』ですし、『want to』は『ウォントゥー』になります。

※補足1:実際は前の音が脱け落ちてしまうというよりも、2つの音が重なって一つになるイメージです。
例えば『大阪』という日本語でも、『おおさか』ではなく『おーさか』と発音するのが一般的ですよね?
2つ並んだ『お』の字を続けて発音するとこうなるのですが、英語の脱落もこんなイメージです。(よくわからなければ気にしなくて大丈夫です)

※補足2:『a apple』が『an apple』に変化するのも、母音『a』が連続すると言いにくいからです。脱落と違い母音は省略させるわけにはいかないので、『a』が『an』に変化します。


また、似たような音が続いたパターンでも脱落が起こります。

よくある例としては『t』『d』が連続する場合、前の『t』の音が発音されなくなります。(tとdの発音は似ている)

『sit down』(シット ダウン)は発音される時に『si down』(シッダウン)と『t』が脱落します。
似た音での脱落

その他のケースでは、

・『good time』(グッド タイム) → 『goo time』(グッタイム)

・『hot soup』(ホット スープ) → 『ho soup』(ホッスープ)

など色々ありますが、全てのパターンを暗記する必要はありません。

映画の字幕やCD付の教本を読む時に、音声を聞きながら連結や脱落が起こっていないか意識してみてください。
法則性がしっかりありますので、自然とパターンが身についてきます。

同化(アシミリレーション)

発音する時は喉(声帯)を通って空気を出していますが、この空気の出し方には2通りあります。
喉を震わせて出す音(有声音)と、喉を震わせない音(無声音)です。

有声音と無声音のイラスト

母音や、『ブ』とか『ズ』などの濁点がつく音が有声音になります。
※喉を手で押さえながら喋ってみてください。喉の振動が感じられる場合は有声音、感じられない場合は無声音です。

有声音『/v/』(ブ)のサンプル音声

無声音『/f/』(フ)のサンプル音声


そして単語が有声音で終わり次の単語が無声音で始まる場合、前の有声音が無声音に変化することがあります。これを同化といいます。
つまり、前の有声音が後ろの無声音にあわせて同じものと化すわけですね。

例えば、『of』(オ)の後に無声音『c』で始まる『course』がくると、『of course』(オ コース)になります。
同化の見本1
有声音『ブ』が無声音『フ』に変化していますが、こうすると喋りやすくなります。

他には、

・『use』(ユー)の後に無声音『t』で始まる『to』がくると、『use to』(ユー トゥ)に。

・『have』(ハ)の後に『t』で始まる『to』がくると、『have to』(ハ トゥ)になります。


逆に単語が無声音で終わり次の単語が有声音で始まる場合、前の無声音が有声音に変化することもあります。

『south』(サウ)の後に有声音『b』で始まる『by』がくると、『south by』(サウ バイ)になります。
同化の例2

※有声音と無声音の違いは厳密には声帯の震えではなく、口や舌のわずかな動きの違いです。ただほんの少しの違いで説明が困難なため、声帯の震えを取り上げて解説しています。


また、同化には別のパターンもあります。

『want you』(ウォント ユー) の『t』『y』が融合して、ウォンチューと別の発音に変化します。

これが起こるのは前の単語が『t』『d』『s』『l』で終わり、次の単語が『y』で始まる場合がほとんどです。

消失

単語の中の音が消えてしまうか、非常に弱くだけ発音されることも多くあります。
これを消失と呼びます。

特に『t』の発音でよく見られます。

・『fight』(ファイッ)

・『twenty』(トウェニィ) ※2番めの『t』が発音されず、『tweny』になる。

単語の末尾の『t』『d』は本当によく消えますので、意識して聞いてみてください。

まとめ

英語では単語のつなぎ目で発音が本来と違う形に変わったり、読まれなくなることが多々あります。

連結・・・単語のつなぎ目が『子音+母音』だと、くっついて一つの音になる。

脱落・・・単語のつなぎ目で同じ音か似た音が連続する場合、片方を発音しない。

同化・・・単語のつなぎ目で息の出し方が違う発音が続く場合、後の息の出し方に合わせる。 『t』や『d』の後ろに『y』の音が続くと、融合されて別の音になる。

消失・・・『t』や『d』などは発音されなかったり、極めて弱くだけ発音される。単語のつなぎ目でなくても起こる。

それぞれの名称を覚えたりパターンを暗記する必要はありませんので、英語では違う発音に変化したり発音が消えてしまうことが頻繁にある、ということを覚えてください。

英語ほど顕著ではないですが、日本語でも発音の連結や脱落はしばしば起こっています。
理由は『そうした方が楽だし自然だから』です。
「なんでこんな面倒なルールがあるんだ!」と思わずに、「こういうものだから」と思ってください。

言語にはしっかり法則性がありますので、慣れるとなんとなくこの場合はどう発音するのか、ということが意識せずとも分かってきます。
今後英語の音声を聞く時は、これらのことが起こっていることを意識しながら聞いてみてくださいね。

またあなたが英語を発音する場合、こういった発音の変化をさせずに喋ってもそれは間違いではありません。

(このページで説明したことをもっと詳しく知りたい方は、英語で悩むあなたのためにというサイトで詳しく説明されています。ただ学術的な内容になっていますので、ある程度英会話が出来るようになってから読むとよいです)

では発音についてはこれでOKだと思いますが、次回は最低限知っておきたい英会話の基本ルールをご説明します。

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